米中貿易戦争を深読みしたら仮想通貨に未来はないと妄想した話
*この記事は私の脳内妄想話です。
トランプ大統領、このタイミングで「元の為替操作批判」をかましてくるとは、ビックリしました。
IT企業の締め出しから始まった米中の貿易戦争、そして、今回の中国の「元」の為替問題について考えいてたら、私の脳内の妄想がささやいてきたことがあったので、書き下ろしてみました。
為替操作という難クセ
このところは控えめだったようですが、中国が自国にとって有利になるよう為替操作をやってるなんて、とうの昔から言われ続けてきた話。
たしか、クリントンが大統領だったとき、アメリカの自動車メーカー3社のトップを随行させて来日し、アメ車を押し売りにきた頃に明言して、それからもずーっと言われ続けているような・・・。
ところで、このところアメリカ、というかトランプ大統領は露骨に中国叩きをやっていますよね。
中国からの輸入品に対して関税をアップして、その対抗として中国が関税をかけたら、お返しとばかりに品目を拡大しての関税率のさらなる上乗せ。
一時は泥仕合になったものの、中国はこれ以上、上積みできる品目がなくなってしまい、弾切れ。
遠まわしに泣きをいれたところ、G20の場で「とりあえず、様子をみてやろう」と宣言し攻撃の手を緩めました。
中国からすればニッコリと笑顔で握手すれば、一件落着と思いますよね。
ところが、アメリカの利下げが自分の期待レベルでなかったのに腹をたてたトランプさんは、中国の為替操作を槍玉に挙げ、その対抗措置として「さらなる利下げ」をFRBに要求したというもの。
今回の件はある面、中国にとっては難クセつけられたようなもの。
「ウソだろぉ、おい、カンベンしてくれよ~」
ってところでしょうけど、NY市場はもちろん、世界中の株が大暴落しているわけで、一体、世の中の何人が、
「トランプ、エエ加減にせえよ!」
と叫んだことか。
貿易戦争の影響
HUAWEIの副会長が逮捕されたのは、中国に通信の第五世代(5G)のイニシアティブを握られたため、それを潰しにかかったというのがもっぱらの噂。
そのあと、HUAWEIの公的機関の使用禁止だったりとか、それに同調する同盟国が出てきたりとか、一国が一企業(といってもほぼ国策企業)を潰しにかかると
「ここまでやるか?」
ってくらい、エグイことをやるんだなぁて思いながら見てたんです。
どっちかというと他人事だったんですけど。
でもそのあと、私が仕事で関係する会社のうちいくつかの会社から、
「HUAWEIの問題やら、先が読めなくなってきた」
という話を聞き、さらに、貿易戦争が顕在化してきてからは、
「先行き不安から事業計画を見直さざるを得ない」
とか
「発注が2割減った」
みたいな話を何度も聞かされることになり、
「こりゃぁ、他人事じゃないなぁ」
って実感するようになっておりました。
気まぐれな乱暴者が権力を持つと
気まぐれな乱暴者が世界最強といわれている国の国力をバックにしたら・・・、とんでもないことが起きるんですよね。
言うことはコロコロ変わるし、それを平気で世界中に垂れ流す。
自分が喧嘩を売った相手に向かってニコニコしながら右手を差し出し、握手した矢先に、振り向きざまの左フックをかましてくる。
殴られたほうは、痛みに耐えながら、何とか機嫌をとりなそうと擦り寄る。
今、世界で起きているのは、大権力をもった「ジャ○アン」がやりたい放題やっていて、それを迷惑に感じながらも、矛先が自分に向かないようおとなしく我慢しているというようなものですね。
なぜこのタイミング?
では、なぜ、このタイミングで、貿易戦争、為替戦争を仕掛けているのか?
そりゃあ、大統領選挙が近いというのは間違いなしです。
トランプさんが、自分が選挙で勝つための実績作りなのでしょう。
でも、ここまで中国をたたきまくる必要があるのか?
バカだから、加減を知らないのか?
私の脳内妄想は
「アメリカが中国の経済がほんとうにヤバイということを読みきった」
とつぶやいています。
- 長年続いた異常なまでの経済成長率の鈍化
- 金持ちに対する優遇税制
- 経済活性化を目的とした税金をぶっ込む公共工事
- 結果として、大量に出来上がった人が住んでいない高層マンション群
- 情勢不安と賃金アップに根を上げた海外メーカーの工場の中国からの脱出
- それに伴う産業空洞化
そして何より
中国が保有していたアメリカ国債の大幅な減少
があるのでは、と。
おそらく、経済の鈍化を補填するために、アメリカ国債を少しづつ売りさばいていたんでしょうね。
気がつくと、15%以上も手放しているんです。
アメリカ的には、自国の国債を一気に放出されたら、たまったもんじゃありませんが、そのリスクが減っていると読んだのでは?と。
*ちなみに中国が保有する3月末の保有高は1兆1200億ドル強で世界一。第2位は日本で、驚きの1兆0800億ドルだとか。
米が中をうっとうしいと思う理由
アメリカは、なんでもかんでも世界で一番が大好きな国。
だから、自分たちをおびやかそうとする中国をいつか叩いてやるぞと考えていたのは間違いないでしょう。
アメリカにとって、一番うっとうしいのは、中国の「一帯一路」じゃないかって思います。
これは、現代版シルクロードみたいに言われてますけど、やっていることは、参加国にお金を貸し付けて、港なんかのインフラを整備させ(工事をするのは中国企業)、工事が完成した途端、「金を返せ。返せないんだったら言うことを聞け」と迫り、自国に有利な制度にさせること。
これが本当だったら、札びらでほっぺたを叩くようなマネをしていたわけですよね。
で、こうやって「一帯一路」に参加している国々を取り込んで、そこで「元」を基軸通貨にしようとしていたんではないか、と。
これが、アメリカにとって、このうえなくうっとうしいことなんです。
双子の赤字と基軸通貨
アメリカの経済を表現する言葉で
双子の赤字
というものがあります。
これは、財政赤字と貿易赤字の2つを指すものです。
財政赤字とは、国などの財政が赤字であること。税収入より国の支出が多いという状態。
貿易赤字は、輸入する額が輸出する額よりも多いという状態。
財政赤字は、増税で税収を上げるか、国債の発行、つまり、借金をすることでカバーするしかありません。
一方、貿易赤字は、売るよりも買うお金のほうが多いので、どんどんとお金が出て行きます。
放っておけば、国のお金はスッカラカンになってしまうわけですが・・・、世界のアメリカはビクともしません。
なぜか?
それは、ドルが世界の基軸通貨だからです。
いくら赤字になろうが、ドル紙幣をジャンジャンと印刷すれば、支払うお金はいくらでも出てきます。
これを、ほかの国がやると、一発でインフレになってしまいますが、基軸通貨であるドルに関しては、このロジックがあてはまりません。
乱暴に言ってしまえば、ジョージ・ワシントンの顔が印刷されているただの紙切れを100円以上で売っているようなものだから、なんです。
このように、アメリカが本当に死守したいのは、
世界の基軸通貨が自国の通貨である「ドル」であること。
これが絶対に守りたいことなんです。
しかし、世界の基軸通貨が持つ旨みを知っている中国は、ドルをその座から引きずり下ろし、代わりに「元」を据えたい。
そのとっかかりが、「一帯一路」。
アメリカとしては、なんとしてでも阻止したい。
だから、中国経済をぶっ叩きはじめているのです。
おそらく、これまで何度もぶっ叩きプランはテーブルに上ったことでしょう。
しかし、中国の勢いが強かったのとともに、それを本当にやってのけるだけの胆力を持った人が大統領ではなかったと思います。
しかし、今のトランプ大統領は、胆力がある(あるいは自分の選挙を最優先している、もしくは後先の影響を考えない)人ゆえに、やっているんだろうと考えます。
仮想通貨に未来はない
このように、基軸通貨を持つ国が世界を制する以上、それに取って代わる可能性があるものは、盟主がどんな手を使ってでもぶっ潰しにかかるのは明白です。
そもそも仮想通貨は、金と同じく
「地球上に限定された量しか存在せず、生産が不可能なもの」
に価値付けをし、流通させているシステムですよね。
この「絶対量が限定されている」という条件は、自ら枷をはめているのと同じになります。
現在の肥大化した世界経済において、基軸通貨に求められる条件を仮想通過は満たせないといえるでしょう。
「いやいや、今の為替の混乱で値上がりしているじゃないか?」
とのご意見もあるでしょう。
これは、ただ単に、世界中に流通している巨額のマネーが逃げ場を探していて、その選択肢のひとつとして、仮想通貨も選ばれただけの話。
一方、急激な「円高」が起きていますが、安全な避難先としていつも円が選ばれており、為替市場で円買いに流れたマネーは仮想通貨に比較して、はるかにケタ違いのはずなんです。
逆にこのところの仮想通貨の価格のブレ幅から考えると、これだけ安定性のないものがドルに取って代わるなど、考えられないことです。
少なくとも今の国家制度が維持されている限り、仮想通貨はただの投機対象以上にはなりえず、仮にインフラやシステムが進展して、基軸通貨になりえる条件が整おうとしても、アメリカが今の中国叩きと同等か、もしくはそれ以上の圧をもって潰しにかかるはずです。
(すでにアメリカ主導で、多くの国で仮想通貨の規制が導入され始めていますし、ね)
おわりに
ということで、以上、米中貿易戦争を深読みしたら仮想通貨に未来はないと思った妄想したお話です。
かなり乱暴にロジックを組んでいますので、
「それ、違うんじゃないの?」
ってお考えになる箇所は多々あろうかと思いますが、まあ、私の脳内妄想ということで。
あと、仮想通貨そのものを否定するものではありませんので念のため。
最後までお読みいただきありがとうございました!